外に仕事に出ていると、同僚や仕事先の人と一緒にお昼を食べたり、飲み会なんかも当たり前のようにあるものです。でも、引退すると生活や環境は一変します。そこで増えるのが「孤食」です。
孤食とは、「週の半分以上、一日の全ての食事を一人で食べていること」*。日本では現在、約15%の人が該当するといわれます。もともとは1980年代後半から核家族化による子どもの問題として注目されましたが、一人暮らしのシニアやプレシニアが増えた今、子どもたちだけの問題ではなくなりました。
「孤食」の問題点には、どんなものがあるでしょう?
・食事を簡単に済ませたり、抜いたりしてしまいがち。
・同じものを繰り返し食べるなど、栄養がかたよりやすい。
・毎日誰かと食事する人に比べ、ほとんど「孤食」の人は、体重が5%以上減るリスクが高い。
そして・・・
・鬱やQOL(生活の質)の低下を招く原因にも。
「今日も一日、“一人ごはん”だったなぁ・・・」
そう思ったあなた。
誰かとおいしく楽しく食事をするために、こんなきっかけ作りはいかがでしょう?
・誰かを食事に誘ってみる。逆に、誘われたら気軽に参加してみる。
・たまに行く飲食店などで同じように一人で来ている人に声を掛けてみる。まずは顔見知りになるところから!
・地域のお祭りに行ってみる。振る舞い酒や軽食などを周りの人と一緒に楽しんで、孤食解消の第一歩に!
最近では各地域で「子ども食堂」という試みも展開されています*2。
子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂で、シニアが参加できるところもあります。多くは社会福祉協議会や地域包括支援センターで情報発信していますので、問い合わせて参加してみるのもいいですね!
身体に必要な栄養素を摂るために、食べることはとても大切です。さらに、誰かと一緒においしく楽しく「食事」をすれば、心の栄養にもきっとつながりますよ!
*農林水産省「平成29年度 食育白書」より
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/wpaper/h29/h29_h/book/part1/chap1/b1_c1_1_03.html
*2:(参考)むすびえ NPO法人 全国こども食堂支援センター